カルテの裏側
幼稚園でのひと時
2014年07月09日
今月より、幼稚園に出向いて、園児と昼食の時間をともにしたり、話を聞いたりする機会を設けることにした。もともと幼稚園から子どもたちの健康診断を仰せつかっているから、全く知らない場所に行くわけではない。
子どもたちは、私に質問をしてきた。
どんな病院?
住んでいる家はどこ?
髪の毛はなぜ白い?
誕生日には、どうしてプレゼントをする?
折り紙で何を作ることが出来る?等など。
質問に答えることは、容易ではなかった。まず、白髪になる理由を園児に当意即妙に答えられなかった。また、プレゼントをする由来は?と考えていたら、このような習慣は明治に始まったのではないか、と連想もしてしまい、こちらもどう答えたのか覚えていない。それでも、わかりやすく答えようという意思をもって、子どもたちの輪の中にただ一人でいたのである。
私のそばでは、抱っこしてと要求する園児がいれば、身体をぴったりとくっつけてくる園児がいる。どんどん話しかけてくる園児がいる一方で、静かに遠くでちらちらと気にしている園児もいて、そういう子どもたちには、こちらから話しかけてやった。
いま、核家族の形があり、ひとり親の家庭もあって、子どもを取り巻く環境は一様ではない。また、子どもを地域で見守る大人たちの数は、いくつもの原因でどんどん少なくなっていると思われる。総じて子どもたちは、大人と関わる機会が減っているのではないかしら。そんな中でも、時間は経ち子どもたちは成長する。過疎化、少子化が顕著な熊野市でも、子どもたちは成長する。その成長に関わるため、大人をステップボードとして羽ばたいてもらうため、私は微力ではあるが、幼稚園でひと時を過ごすことに決めた。